スタートアップのM&A DB：京越株式会社による株式会社エスティームの買収/M&A事例

概要

2023年11月、京越株式会社はアパレルブランド「overE」を運営する株式会社エスティームの株式を70%取得し、これを連結子会社化しました。京越は日本の和装EC市場でトップシェアを誇る企業であり、このM&Aによりアパレル事業の強化と新市場での成長を目指しています。

買収企業と買われた企業の紹介

買収企業：京越株式会社

京越株式会社は2009年に創業し、和装EC業界で圧倒的なシェアを持つ企業です。自社工場による高品質な製造や多様な事業展開能力を持ち、生産から販売まで一貫して管理しています。その柔軟な商品企画力や低価格での提供能力も特徴です。

被買収企業：株式会社エスティーム

株式会社エスティームは2016年に設立され、「overE」という胸が大きな女性向けのアパレルブランドを展開しています。同社はクラウドファンディングを活用して事業を開始し、SNSを通じてユーザーの声を取り入れながら独自の市場ポジションを確立しました。特に日本女性の体型に特化した商品開発が評価されています。

発生の背景

京越は和装業界での成功を基盤に成長を続ける中で、新たな事業柱の構築を目指していました。エスティームの運営する「overE」は、ニッチ市場における圧倒的な支持を得ており、京越が持つ製造力や販売ネットワークとのシナジー効果が期待される案件となりました。一方で、エスティーム側もリソース確保や商品ラインナップの拡充、ネットワーク強化を目的に強力なパートナーを求めていた背景があります。

想定されるシナジー

このM&Aにより、両社の強みを融合することで以下のシナジーが想定されます：

• 京越の持つグローバルな製造能力を活用し、エスティームの商品供給力を強化。
• 京越のECプラットフォームや物流網を利用し、エスティームのマーケット拡大を支援。
• エスティームの顧客ニーズ分析力と京越の柔軟な商品開発力による多様な商品展開。

まとめ

今回のM&Aは、両社の成長戦略を補完する形となり、アパレル業界の新たな潮流を生み出す可能性を秘めています。近年、消費者ニーズの多様化やオンライン販売の重要性が増す中で、こうした業界横断的な連携は、顧客価値の向上や新市場の開拓に繋がると期待されます。