CATALYST 特集
完全養殖に挑む注目の水産スタートアップ特集
水産資源の減少や環境変化に対応するため、人工孵化した稚魚から次の世代を育てる「完全養殖」の技術開発が進んでいます。本特集では、サバやサクラマス、イカなどの完全養殖や持続可能な養殖システムの確立に挑む、注目のスタートアップ企業を紹介します。
水産資源の減少や海洋環境の変動が深刻化する中、天然資源に依存しない持続可能な水産業のあり方として「完全養殖」への注目が急速に高まっています。特に、外部環境から隔離された陸上養殖や閉鎖循環式システムは、寄生虫のリスクを排除した安全な水産物の提供や、排水による環境負荷の低減を可能にする技術として期待されています。しかし、魚種ごとの生態に合わせた飼育技術の確立や、水温・水質の厳密な管理など、実用化と安定生産に向けては依然として多くの技術的課題が存在します。
本特集では、こうした課題に対して独自の技術アプローチで挑む先進的なスタートアップ3社を紹介します。サバ、サクラマス、アオリイカといった、これまで飼育や管理が極めて困難とされてきた魚種を対象に、長年の研究に基づく選抜育種や累代飼育のノウハウ、さらにはIoTやコンテナを活用した先進的な養殖システムを構築する各社の取り組みを取り上げ、持続可能な水産業の未来を展望します。
株式会社フィオテック
フードロスを養殖飼料に換え、サバを育て、天然の水産資源を侵さないサステナブル養殖で世界を救う
飼育難易度が高いサバを対象に、排水をほとんど出さない完全閉鎖循環型の陸上養殖技術を確立しています。単一の技術開発にとどまらず、「種苗」「エサ」「養殖システム」の3つの要素を統合的に研究開発している点が強みです。これにより、アニサキスの心配がない安全なサバの安定供給を実現し、サバを生で食べるという新たな食習慣と価値の提供を目指しています。
株式会社フィオテックの詳細データを見る株式会社Smolt
海の豊かさを守りながら日本の魚食文化を未来へ継承することをミッションとしています。
宮崎大学の研究成果を基に、6世代にわたる選抜育種で開発した「高水温耐性を持つサクラマス」の循環型養殖を展開しています。淡水と海水を巧みに活用する独自の循環型養殖システム(RAS)に、IoTによる水質モニタリング技術を融合させることで、環境負荷を低く抑えながら、気候変動にも適応できる持続可能かつ安定的な生産体制を構築しています。
株式会社Smoltの詳細データを見るKwahuu Ocean株式会社
科学、水産、アートでつなぐソーシャルデザインとしてのイカ養殖
これまで極めて困難とされてきたイカの完全養殖において、世界初となるアオリイカの累代飼育10世代達成の技術とノウハウを保有しています。この知見を20フィートコンテナを用いた「小型分散型養殖モジュール」に応用し、ARやIoT技術による遠隔管理を行うことで、環境負荷を抑えながら各地で生産を行う地産地消モデルの実現を目指しています。
Kwahuu Ocean株式会社の詳細データを見る関連特集
完全自動運転の実現に挑む注目のスタートアップ特集
交通事故の削減や移動・物流の効率化に向けて、完全自動運転技術の開発が進められています。本特集では、独自の自動運転システムやマップレス技術、要素技術となる画像認識や測位システムなどを開発する注目のスタートアップ企業を紹介します。
7社
陸上サーモン養殖に挑む注目スタートアップ特集
世界的な水産物需要の高まりや環境負荷への懸念を背景に、陸上サーモン養殖への注目が集まっています。本特集では、独自の閉鎖循環式システムや大規模な養殖施設の建設・運営を通じて、持続可能で安定的なサーモン供給の実現を目指す注目のスタートアップ企業を紹介します。
2社
牡蠣人工種苗の注目スタートアップ特集
水産業における後継者不足や環境変化への対応策として、牡蠣の人工種苗(じんこうしゅびょう)生産が注目されています。本特集では、牡蠣の人工種苗生産から養殖、スマート漁業化までを一気通貫で手がけ、持続可能な水産業の実現を目指す注目のスタートアップ企業を紹介します。
1社
神経幹細胞創薬の注目スタートアップ特集
脳神経疾患や脊髄損傷などの難治性疾患に対し、神経幹細胞やiPS細胞などの幹細胞技術を活用した創薬・再生医療の開発が進んでいます。本特集では、独自の幹細胞技術や神経再生アプローチを用いて革新的な治療法の確立に挑む、注目のバイオスタートアップを紹介します。
4社